伝統の解体 18世紀末から19世紀初頭のイギリス、アメリカ、フランス

伝統の解体 18世紀末から19世紀初頭のイギリス、アメリカ、フランス

 

1492年のコロンブスによるアメリカ大陸の発見が、近代の始まりと言われているそうです。

美術においては、1789年のフランス革命によって、近代が始まったと考えられています。

それまで、美術の世界は、その時代に流行した様式にこだわってきました。

しかし、芸術には、様々な様式があり、流行の様式に従うことはない、と考え始める人々が出てきます。

それによって、今までとは違う風変わりな建築物が建てられていったそうです。

 

画家達はどうしたかというと、新しい絵の主題を探し始めたそうです。

そして、イギリスで仕事をしたアメリカの画家達がそれだったそうです。

 

コープリーの1641年、議会で弾劾された5名の議員の引渡しを要求するチャールズ1世です。

 

 

 

また、1789年からのフランス革命は、歴史に対する関心をかきたて、画家達は英雄的な主題を求めたそうです。コープリーの絵は、イギリスの歴史を研究して描いたロマン主義が表れていますが、フランスでは、革命家たちが、ローマ人の生まれ変わりと考えたがったため、建築にも絵画にもローマ的壮麗さが表れていたそうです。

それが、新古典様式と呼ばれているものだそうです。

その新古典様式の先駆けとなったのが、ダヴィッドです。

 

ダヴィッドのマラーの死です。

 

 

 

 

革命の指導者の一人、マラーの死を、ギリシャやローマの彫刻を研究し、筋肉や肋骨をどのようにあらわせば、高貴な姿になるか?そして、不必要なものをすべて排除する単純化の方法を古典美術から学んだダヴィッドが描きました。

 

古いタイプの主題に疑問を投げたスペインの画家、フランシス・ゴヤダヴィッドと同じ時代です。ゴヤは、エルグレコやベラスケスを生んだスペインの絵画に精通し、バルコニーのマハたちを残しています。

こちらです。

 

 

 

 

肖像画も残しています。フェルディナンド7世です。

 

 

 

 

ゴヤは過去の約束事から自由であることを信条とし、絵画だけではなく、版画も残しています。アクアティントという新しい技法を発見しました。

 

ゴヤの巨人です。

 

 

 

 

歴史や聖書、風俗といったものを描かなかったゴヤは、悪夢などを絵の主題としました。

そして、そんな美術の新しい取り組みを徹底したのが、イギリスの詩人であり画家のウィリアムブレイクです。

創生の時です。

 

 

 

 

そして、このように画家が主題を自由に選べるようになり、風景画という分野が大きな力を得たそうです。

ターナーカルタゴを建設するディドと吹雪の中の蒸気船です。

 

 

 

 

 

 

 

 

伝統と張り合い、それを乗り越えようとしたターナーと対照的なのが、コンスタンブルです。

木の習作

 

 

 

 

コンスタンブルは、自分の目が見たように描いたそうです。ですので、絵のような題材を選んでいない。

 

コンスタンブルの

干し草車です。